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交通事故に遭った直後にやるべきこと、やってはいけないこと|旭川の交通事故被害者側専門弁護士が解説
交通事故の直後、何をすべきで、何を避けるべきか。
警察への通報、病院受診、人身事故への切り替え、その場での示談のリスクなどを、交通事故の解決実績300件以上、弁護士経験17年の旭川の被害者側専門弁護士が時系列で解説します。
交通事故は、ある日突然、何の準備もないところに起こります。事故直後は気が動転して、何をすべきか、何をしてはいけないのか、冷静に判断することは簡単ではありません。
このコラムでは、交通事故の被害に遭った直後から数日のあいだに、やっておくべきこと、避けるべきことを、時系列で整理します。
Ⅰ 事故現場でやるべきこと
① 警察への通報
どんなに小さな事故でも、必ず警察に通報してください。警察への届出がないと「交通事故証明書」が発行されず、後の保険請求や賠償交渉に支障が生じます。
「物損だけだから」「相手がその場で謝って示談を持ちかけてきたから」という理由で警察を呼ばずに済ませることは、絶対に避けてください。
② 相手の情報の確認
相手の氏名、住所、連絡先、車のナンバー、加入している保険会社(自賠責保険と任意保険の両方)を確認します。相手の運転免許証と車検証を見せてもらい、スマートフォンで撮影しておくと確実です。
③ 現場の記録
可能であれば、事故現場の状況をスマートフォンで撮影しておきます。車両の損傷状況、車両の停止位置、ブレーキ痕、信号や標識、道路の状況などです。事故直後の現場の記録は、後に過失割合が争いになった場合の重要な資料になり得ます。
目撃者がいる場合は、連絡先を聞いておくことも有効です。
④ ドライブレコーダー映像の保存
ご自身の車にドライブレコーダーがある場合、事故の映像が上書きされないよう、その日のうちにデータを保存してください。SDカードを抜いて保管する、スマートフォンやパソコンにコピーするなどの方法があります。
Ⅱ 事故当日〜数日以内にやるべきこと
① 病院の受診――痛みが軽くても早めに
事故直後は興奮状態にあり、痛みを感じにくいことがあります。また、むちうちなどの症状は、事故の翌日以降に現れたり悪化したりすることが少なくありません。
「大したことはない」と自己判断せず、体に違和感があれば早めに医療機関(整形外科など)を受診してください。事故から初診までの期間が空いてしまうと、後になって「その症状は事故によるものか」が争われる原因になることがあります。
② 自分の保険会社への連絡
被害者であっても、ご自身が加入している自動車保険の保険会社に事故の報告をしてください。ご自身の保険に付いている補償(人身傷害保険、弁護士費用特約、車両保険など)が使える場合があります。
特に、弁護士費用特約の有無はこの段階で確認しておくことをお勧めします。ご自身の保険だけでなく、ご家族の保険に付いている特約が使える場合もあります。
③ 「人身事故」としての届出
ケガをしているのに、警察への届出が「物損事故」のままになっていることがあります。ケガがある場合は、医師の診断書を警察に提出して、人身事故として扱ってもらうことを検討してください。物損事故のままだと、実況見分調書などの詳しい捜査記録が作成されず、後の賠償交渉で不利益が生じることがあります。
Ⅲ やってはいけないこと
① その場での示談
事故現場で、相手から「保険を使いたくないので、この場でお金を払って解決したい」などと持ちかけられることがあります。その場での示談には絶対に応じないでください。事故直後の段階では、ケガの程度も、車の損傷の程度も、過失割合も、何も確定していません。
② 安易な署名・サイン
相手や保険会社から提示された書面に、内容をよく理解しないまま署名することは避けてください。示談書に署名すると、原則として後から内容を争うことはできなくなります。
③ 治療の自己中断
痛みが多少残っていても、仕事の忙しさなどを理由に通院をやめてしまう方がいます。通院の中断は、症状が軽快したものと評価され、その後の治療費や慰謝料、後遺障害認定に影響することがあります。症状がある間は、医師の指示に従って通院を継続してください。
Ⅳ 知っておくと役立つこと
① 治療費は加害者側の保険会社が直接支払うことが多い
加害者が任意保険に加入している場合、治療費は加害者側の保険会社から医療機関に直接支払われる「一括対応」という扱いになることが一般的です。被害者が窓口でいったん立て替える必要がない場合が多いので、受診時に「交通事故である」ことを医療機関に伝えてください。
② 健康保険も使える
「交通事故では健康保険は使えない」と言われることがありますが、これは誤解です。交通事故の治療にも健康保険は使えます。相手が無保険の場合や、治療費の一括対応が打ち切られた場合などには、健康保険への切り替えが重要な選択肢になります。
③ 弁護士への相談は早いほど選択肢が広がる
「弁護士への相談は、示談の提示が来てから」と考えている方が多いのですが、実際には、治療中の保険会社対応、検査や記録の整え方、症状固定の時期の考え方など、早い段階だからこそアドバイスできることが多くあります。
Ⅴ 最後に
事故直後の対応は、その後の治療・等級認定・賠償交渉のすべての土台になります。とはいえ、すべてを完璧にこなす必要はありません。この記事に書いたことのうち、できていないことがあっても、その時点からやり直せることがほとんどです。
「これでよかったのだろうか」と不安に感じることがあれば、早めにご相談ください。事故の経緯と現在の状況をお聞きした上で、今やるべきことの優先順位をお伝えします。
大石法律事務所は、交通事故の被害者側のみの受任を方針とする、旭川・道北地域の事務所です。保険会社との顧問関係はなく、被害者の立場からのみ、ご相談をお受けしています。
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