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高次脳機能障害について(2) 「高次脳機能障害の注意点」

2022.01.20
コラム

1 高次脳機能障害は見逃されやすい


高次脳機能障害は、認知障害・記憶障害にとどまらず、意欲の低下・人格変化などが症状として把握されます。

当事務所がご相談を受けた方々からも、

怒りっぽくなった(事故前に比べて)」

時間にルーズになった(事故前に比べて)」

鍋を火にかけたまま忘れることが多い(事故前に比べて)」

職場で複数の仕事を並行してできなくなった(事故前に比べて)」

だらだらしている時間が長い(事故前に比べて)」

などという情報をお聞きします。

上記のような人格変化・意欲低下などは、医師が診察で容易に判別することができないため、見逃される危険があります。

もともと怒りっぽい人もいますし、もともと忘れっぽい人もいるからです。


また、脳機能の障害によって上記のような変化が起きた場合には、ご本人がそのことを自覚できないことが多くあるため、医師に対して申告することができません

そのために、より見落とされる危険性が高まるのです。



2 ご家族・ご友人・職場の方へ


ご家族・ご友人・職場に、交通事故・労災などで頭部に外傷を負ってしまった方がいた場合、事故前と比べて、性格や行動パターンなどに変化がないか、注意して見てあげてください。

とくに、「高次脳機能障害」の特徴として「受傷前と違っていることを自分では認めない」ことが挙げられており、ご本人が異変を自覚できないことが多くあります。

ご家族・友人の方が異変を感じた場合には、それを本人に伝えたり、変だねと話をしているだけではなく、専門家への相談につなげることがとても重要です。



3 適切な時期(受傷後早期)に、適切な画像(MRIの撮影方法)を!


高次脳機能が疑われる場合には、医師に適切な画像を撮影してもらうことがとても重要です。

近時、医療画像の撮影技術は相当高度になっている一方で、高次脳機能障害の認定においても画像の必要性が高まっています。

ひと昔前であれば「高次脳機能障害」という診断がつけば高額な保証という時代もありましたが、病態の解明が進み、医療画像が進歩したことを受けて、後遺障害認定において精緻な議論がされるように変化しているのです。


そして、高次脳機能障害の原因となる「び漫性軸索損傷」のように広汎ではあるが微細な脳損傷の場合、CTでは所見を得られない可能性があります。

さらに、受傷から3~4週間以上経過した場合、重症のケースでは脳萎縮が明らかになることがありますが、脳萎縮がない場合画像上の損傷所見が「消失」してしまうことがあるため注意が必要です。

推奨されるのは、『受傷後早期』に『MRI画像』『特に、T2、T2*、FLAIR、拡散強調画像DWI』を撮影しておくことが、非常に重要です。

拡散強調画像DWIは、受傷後2~3日以内に撮影することが推奨されており、まさに時間との勝負です。

適切な時期に、適切な画像を撮影することが、適切な補償を受けることに繋がります。


4 事故後の意識障害

事故後に「意識障害」があった方は、特に、高次能機能障害が生じていないか注意が必要です。

「意識障害」は、呼びかけ、刺激に対する反応などを評価して数値化されます(JCSやGCSという評価方法があります)。

事故直後に意識を喪失していた方、呼びかけに対する反応に異常があった方、カルテに意識障害の記載があったよう方は、高次脳機能障害に注意する必要があります。

ご家族の皆さんも、「事故後の救急隊への呼びかけに対してどのような反応だったのか?」「記憶障害はなかったか?」など注意して見てあげてください。

もし、事故後に意識障害があり、それが長時間続いたような場合は、高次脳機能障害が生じていないか、きちんと観察してあげて下さい。


そして、そのようなケースでは先に述べたMRI画像の種類も含め、早期に手当しておく必要のあることが多きありますから、是非早期に法的アドバイスを受けて下さい。



大石法律事務所では、高次脳機能障害案件の解決実績が複数あります。

また、高次脳機能障害に関する専門医の研修にも参加しています。

旭川、道北地域で脳外傷でお困りの方は、一度大石法律事務所にご相談下さい。